「暖房をつけると、頭だけぼうっとするんです。顔はほてるのに、足先はずっと冷たいままで」。冬のはじめになると、カウンセリングでよく聞く言葉です。
寒い外から暖かい部屋に入ったのに、なぜかすっきりしない。上着を脱いでも、靴下を重ねても、どこか落ち着かない。帯広で暖房を本格的に使いはじめる前のいまのうちに、この感覚の話をしておきたいと思います。
頭は熱いのに、足は冷たい
十勝の冬の家は、暖房がよく効きます。窓の外は雪でも、室内はシャツ一枚で過ごせるほど暖かい。ところが足もとは、床に近いぶん冷えが残ります。頭のあたりは暖かく、足もとは冷たい。からだの上と下で、温度の差ができやすい環境です。
そこへ長時間の座り仕事や、お風呂上がりの暖房、熱い飲みものが重なる。「頭だけぼうっとする」と感じる背景には、こうした暮らしの積み重ねがあるのかもしれません。
- 暖房の部屋にいると、顔や頭だけが熱く感じる
- 足先や膝から下は、靴下をはいても冷たい
- 夕方になると、頭の中に霧がかかったように重い
- 部屋が暖かいのに、なぜか肩に力が入っている
東洋医学は「気が上にかたよる」と見る
東洋医学では、からだをめぐる力を「気(き)」と呼びます。気は、全身をおだやかに巡るのがよいとされています。ところが、緊張や冷え、同じ姿勢が続くと、気が頭のほうへかたまりやすいと考えます。
頭に気がのぼり、足もとまで届かない。そのため、頭は熱っぽいのに足は冷たいままになる。こうした傾向は、気のめぐりがとどこおりやすい気滞(きたい)の様子と重なると見られてきました。診断ではなく、いまの自分がどちらへ傾いているかを、ゆるく知っておくための見方です。
寒さと暖かさの出入りも、からだには仕事になる
外では寒さで肩をすくめ、室内に入ると暖かさで力が抜ける。この出入りを一日に何度もくり返すのが、北海道の冬の暮らしです。からだはそのたびに、温度の変化に合わせようとします。
「冬のはじめがいちばんだるい」とおっしゃる方もいます。季節の切り替わりで、からだが新しい環境に慣れるまでの、準備期間なのかもしれません。
今日からできる、三つのこと
一、暖房の設定より先に、足もとを温める
部屋全体を暖めすぎず、厚手の靴下やひざかけで足もとだけ先に温めます。頭のあたりが暑すぎない程度に、設定を少し控えめにしておく。それだけで、上下の差がやわらぐ日があります。
二、足首を、座ったまま回す
座ったままで、片足ずつ足首をゆっくり回します。左右とも十回ほど。気持ちが上にのぼっているときは、意識を足もとに向けるだけでも、肩の力が抜けやすくなります。
三、夜は、ぬるめの湯に足をひたす
寝る前に、洗面器のぬるめのお湯に足首までひたします。熱すぎるとかえって落ち着かなくなるので、手でさわって心地よいくらいで十分です。
※東洋医学の考え方にもとづく一般的な養生のご紹介です。医療的な診断・治療や、効果を保証するものではありません。急なめまい、強い頭痛、胸の苦しさ、片側の手足のしびれなどがある場合や、症状が続く場合は、医療機関にご相談ください。
頭のほてりは、自分ではわかりにくい
頭のあたりは、自分では見えず、さわっても比べる相手は昨日の自分だけです。施術の前に頭皮にふれると、こめかみのまわりが張っていたり、後頭部が固くなっていたりする方がいます。ご本人は「ふつうです」とおっしゃる。固さに慣れてしまうと、それが基準になってしまうのだと思います。
香の雫では、施術の前にその日の体調とお好みをうかがって、四種の漢方アロマから香りをお選びします。さらっとした質感の漢方アロマオイルを頭皮になじませながら、頭皮から後頭部、首すじまで、ゆっくり手を動かしていきます。シャンプー台は使わず髪も洗いませんので、施術のあとはそのままお出かけいただけます。
暖房を入れはじめる、いまの時期。頭とからだの温度差を、一度だけ見ておく。そのくらいの気持ちで、ちょうどいいと思っています。