「目が覚めた瞬間から、もう頭が重いんです」。カウンセリングで、そうおっしゃる方がいます。夜はちゃんと眠ったはずなのに、と。
十月の帯広は、朝の空気が急に変わります。布団のなかは暖かいのに、顔に当たる空気だけが冷たい。そんな朝に、起き上がる前から首のまわりが突っ張っている、という話をよく聞きます。
夕方ではなく、朝がいちばん重い
夕方に重くなるのは、理由が思いつきます。一日動いた、ずっと画面を見ていた。ところが朝は、まだ何もしていません。それなのに重い。
- 目が覚めた時点で、頭の後ろのほうが重い
- 起きてしばらくは、首が回しにくい
- 枕から頭を上げると、首の付け根が張っている
- 顔を洗って動き出すと、少しずつ軽くなる
ふれてみると、首の横から後ろにかけて硬い方がいます。ご本人は、そこが硬いとは思っていません。重いのは頭のほうだと思っているからです。
眠っているあいだ、首は休んでいるとはかぎらない
頭は、思っているよりずっと重いものです。起きているあいだは、首と肩の筋肉が支えています。横になれば支えはいらない。そう思いがちですが、枕の高さや頭の向きしだいで、首は一晩じゅう、わずかに引っぱられたままになることがあります。
人は眠っているあいだに、何度も寝返りを打ちます。同じ姿勢が続かないよう、体が自分で位置を変えているのだと考えられています。ところが冷える夜は、布団のなかで肩をすくめて丸まりやすい。そのまま長く同じ形で固まれば、朝、首が突っ張るのも不思議ではありません。
東洋医学は、朝の重さを「めぐりの滞り」と見てきた
東洋医学には、瘀血(おけつ)という言葉があります。血のめぐりが滞って、同じところにとどまっている状態のことです。冷えると、めぐりは鈍くなる。夜のあいだに固まったものが、動き出す前の朝にいちばん重い、と考えると筋が通ります。
朝は重くて、動いているうちに軽くなる。東洋医学では、こうした動き方をめぐりの滞りのあらわれとして見ることがあります。もっとも、体質はひとつに決まるものではありません。
今日からできる、三つのこと
一、起き上がる前に、足首を回す
布団のなかで、足首をゆっくり左右に回します。十回もいりません。体のはしのほうから動かして、起きる準備をさせてあげる、という考え方です。
二、枕は、首のすき間で選ぶ
仰向けになったとき、首のうしろに大きなすき間が空いていないか。空いているなら、畳んだタオルを一枚、首の下に足してみます。高い枕を買い足す前に、手元でできることです。
三、起きたら、肩を耳に近づけて、落とす
カーテンを開けたついでに、肩をぐっと耳へ寄せて、ストンと力を抜きます。冷えた朝は、気づかないうちに肩が上がっています。一度上げてから落とすと、上がっていたことに気づけます。
※東洋医学の考え方にもとづく一般的な養生のご紹介です。医療的な診断・治療や、効果を保証するものではありません。朝の頭痛や首の痛み、しびれ、めまい、ろれつの回りにくさなどが続く場合、急に強くなった場合は、医療機関にご相談ください。
眠っているあいだの首は、自分では見えない
首の横も後ろも、鏡には映りません。自分の手も、届きにくいところです。眠っているあいだにどうなっているかは、なおさら分かりません。
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朝は、毎日やってきます。その最初の一時間を、少しでも軽く始められるように。そのくらいの気持ちで、ちょうどいいと思っています。